認識論理におけるKripke structureとAumann structure
(またレイアウトがうまくいってなくて読みずらいかと思います. すみません. )
様相論理の意味論ではKripke structureが用いられることが多いのですが, 最近Aumann sructureというものを勉強したのでメモします.
もともとAumannは経済学で有名な人で, このAumann structureも経済学とかで様相論理を応用したいときに使われるらしいです. よく知りません.
それではまず, Aumann structureのイメージを, Kripke structureと比べながら説明します.
Kripke structureでは, 最初に命題記号の集合が与えられます.
そして, 各命題記号にそれが真となるような世界の集合を割り当てることにより付値を定義します.
しかし, Aumann structureでは, 命題記号はありません. 代わりに, 世界の集合をベースに考えます.
具体的には, ある世界の集合 が与えられ, (このはKripke structureでは に相当します. ) であるときに は でなりたつというのです.
これはKripke structureでは , つまり は でなりたつ, ということに対応しています.
それでは, Aumann structureの定義を与えます.
組 が以下をみたすとき,
Aumann structureという.
- は集合.
- 各 はの分割. (つまり, は, 各 に対して かつ をみたす. )
集合 をeventといい, 世界 が をみたすとき, は でなりたつ(hold)といいます. また, 分割 の元を のcellまたはinformation setといい, を含むような のcellを とかきます.
ここで突然 の分割をしていますが, これについて説明します.
まず, 認識論理においてはその解釈から, 一般に到達関係を同値関係とします.
このとき, 可能世界集合 を同値類で分割できますし, 逆に同値類への分割が与えられたら到達関係に値するものを考えられます.
つまり, はagent が世界から到達可能だと考えている世界の集合, というイメージです.
このようなイメージのもと, 各knowledge operatorは以下のように自然に定義できます.
をAumann structure, をevent, を世界とします.
- operetor をevent of knowing という.
- operator を以下で定義し, をevent in a group knowing という.
- operator を以下で定義し, をcommon knowledge of an event amang the agent in a group という.
ただし, とする. - operator を以下で定義し, をdistributed knowledge of an event amang the agent in a group という.