現実を見るということ

私は、自分のことについて考えると、悪い点しか出て来ない。

例えば、頭の悪さとか、努力を怠っていた事実、また勉強以外でも容姿や性格の悪さや会話力の無さなどもう沢山ある。

 

そのような現実を突きつけられた時、今までは現実逃避するか、憂鬱になるかのどちらかであった。

現実逃避の例として、全てを放り出して遊んでしまったり、または何かの承認欲求を満たすことで紛らわしたり、などである。

 

現実逃避というのは現実を見れなかったということ、憂鬱になるのは現実を見たら自分の思っているものに比べ劣っていて現実を受け入れられなかったいうこと。

このようになってしまう原因として、自分が変に高いプライド(理想)を持っており、それを捨てきれなかったことが考えられる。

(つまり、プライドが高くて現実とは違うから受け入れられないのである。)

 

ただ、長い目で見ると、ずっとプライドが高いまま現実を受け入れられないと、それと現実との差異から現実逃避、憂鬱さがずっと続いてしまうだけである。

逆に一回でも現実を受け入れられると、自己分析により私が真に求めていることに対して現実はどの程度足りないか、足りるようにするには何をすれば良いのかを考えられて、一歩成長できる。

 

 

このようなことを、21歳にして初めてわかった。

もちろんプライドが高いのは良くないだとか自己分析は大事ということくらいは知っていたが、私がまさかプライドが高いとは今まで思ったことも無かった。

上で書いたような理由から変なプライド(自己肯定感とは別の)が低い方が人生において合理的なので、最近は少しずつ低くするように意識している。

 

認識論理におけるKripke structureとAumann structure

(またレイアウトがうまくいってなくて読みずらいかと思います. すみません. )

 

様相論理の意味論ではKripke structureが用いられることが多いのですが, 最近Aumann sructureというものを勉強したのでメモします. 

もともとAumannは経済学で有名な人で, このAumann structureも経済学とかで様相論理を応用したいときに使われるらしいです. よく知りません. 

 

それではまず, Aumann structureのイメージを, Kripke structureと比べながら説明します.

Kripke structureでは, 最初に命題記号の集合が与えられます. 

そして, 各命題記号にそれが真となるような世界の集合を割り当てることにより付値を定義します. 

しかし, Aumann structureでは, 命題記号はありません. 代わりに, 世界の集合をベースに考えます. 

具体的には, ある世界の集合  e が与えられ, (この eはKripke structureでは  V(p) に相当します. )  s\in e であるときに  e s でなりたつというのです. 

これはKripke structureでは  s\in V(p) , つまり  p s でなりたつ, ということに対応しています. 

それでは, Aumann structureの定義を与えます. 

 

 (S,\mathcal{P}_1,\dots,\mathcal{P}_n) が以下をみたすとき,
Aumann structureという.  

  1.   S は集合. 
  2.  \mathcal{P}_i Sの分割. (つまり,  \mathcal{P}_i=\{S_1,\dots,S_r\}は, 各  p,q に対して  S_p\cap S_q=\emptysetかつ \bigcup_{1\le p\le r}S_p=S をみたす. )

 集合  e\subseteq S をeventといい, 世界  s s\in e をみたすとき,  e s でなりたつ(hold)といいます.  また, 分割 \mathcal{P}_i の元を  \mathcal{P}_iのcellまたはinformation setといい,   s を含むような \mathcal{P}_i のcellを  \mathcal{P}_i(s) とかきます.

 

ここで突然  S の分割をしていますが,  これについて説明します.

まず, 認識論理においてはその解釈から, 一般に到達関係を同値関係とします. 

このとき, 可能世界集合  S を同値類で分割できますし, 逆に同値類への分割が与えられたら到達関係に値するものを考えられます. 

つまり,  \mathcal{P}_i(s) はagent  iが世界 sから到達可能だと考えている世界の集合, というイメージです.  

 

このようなイメージのもと, 各knowledge operatorは以下のように自然に定義できます. 

 

 (S,\mathcal{P}_1,\dots,\mathcal{P}_n) をAumann structure,   e をevent,  s を世界とします. 

 

  1. operetor  \mathsf{K}_i:2^S\to 2^S\,(i=1,\dots,n) を以下で定義し, [tex: \mathsf{K}_i(e) をevent of  i knowing  e という.
     \begin{align} \mathsf{K}_i(e)=\{\,s\in S\mid\mathcal{P}_i(s)\subseteq e\,\} \end{align}
  2. operator  \mathsf{E}_G:2^S\to 2^Sを以下で定義し,  \mathsf{E}_G(e) をevent in a group  G knowing  eという.
     \mathsf{E}_G(e)=\bigcap_{i\in G}\mathsf{K}_i(e)
  3. operator  \mathsf{C}_G:2^S\to 2^S を以下で定義し,  \mathsf{C}_G(e) をcommon knowledge of an event  e amang the agent in a group  G という.
    ただし,  \mathsf{E}_G^1=\mathsf{E}_G,\mathsf{E}_G^{k+1}=\mathsf{E}_G(\mathsf{E}_G^k(e)) とする.
     \mathsf{C}_G(e)=\bigcap_{k=1}^\infty\mathsf{E}_G^k(e)
  4. operator  \mathsf{D}_G:2^S\to 2^Sを以下で定義し,  \mathsf{D}_G(e)をdistributed knowledge of an event  e amang the agent in a group  Gという.
     \mathsf{D}_G(e)=\{\,s\in S\mid(\bigcap_{i\in G}\mathcal{P}_i(s))\subseteq e\,\}

 

 

認識論理の導入

(数式を中央にもっていくとか定理環境などレイアウトがうまくいってません. わかり次第更新したいです. )

 

認識論理は様相論理の一分野です.

具体的には, 様相オペレーターとして K_iを導入し,  K_i\phiを「agent  i \phiを知っている」と解釈します.
また, 関係記号として \mathcal{K}_iを導入し,  (s,t)\in\mathcal{K}_iを「agent  iが世界 sの情報が与えられたときに tが可能であると考えている」と解釈します.

 

認識論理において有用な概念としてcommon knowledgeとdistributed knowlwdgeというものがあり, まず具体例を用いてこれらのイメージを紹介します.
たとえば, AさんとBさんが映画Cを見た後, AさんがBさんに「この映画どうだった?」と聞いたとします.
このとき, Bさんが適切に答えるために, まずAさんとBさんは「この映画は映画Cを指す」ことを知っている必要があります.
この「この映画は映画Cを指す」ことを pで表すとすると, さらにAさんはBさんが pを知っていることを知っている必要があります.
さらに, BさんはAさんがBさんが pを知っていることを知っていることを知っている必要があり, これがずっと繰り返されます.
このようにずっと繰り返されたものがなりたつとき,  pをcommon knowledgeといいます.

また, ある事実 \phiがグループのdistributed knowledgeであるというのは, グループ内のagentの知識を集めたとき \phiを推論できる, ということです.

例えば, Dさんは「FさんはGさんまたはHさんが好き」という知識を, Eさんは「FさんはHさんを好きでない」という知識を持っているとします.
このときDさんとEさんというグループは「FさんはGさんが好き」というdistributed knowledgeをもっていることになります.

 

このようなイメージのもとに, 定義を与えていきます. 

認識論理における論理式  \phi は以下のように定義されます. 

 \phi::=p~|~\lnot\phi~|~\phi\lor\psi~|~K_i\phi

ただし,  \Phiを命題記号全体の集合として p\in\Phi です.

この各  i をagentといいます.

 

また, 通常の様相論理と同じようにしてKripke structureを構成します. 

 M=(S,\mathcal{K}_1,\dots,\mathcal{K}_n,V)が以下をみたすとき,  M を Kripke structureといいます. 

  1.  S は集合. 
  2.  \mathcal{K}_i S 上の2項関係.
  3.  V:\Phi\to\mathcal{P}(S).  

充足関係は, 論理式の一番外側の記号が様相オペレーターのときだけを見ればよいでしょう.  

 M=(S,\mathcal{K}_1,\dots,\mathcal{K}_n,V) をstructure,  s\in S,  G\subseteq \{1,\dots,n\}(この Gをgroupという)としたとき, 以下が定義です.

  1.  (M,s)\vDash K_i\psi\iff(s,t)\in \mathcal{K}_i をみたす任意の  t に対して (M,t)\vDash\psi
  2.  (M,s)\vDash E_G\phi\iff任意の i\in Gに対して(M,s)\vDash K_i\phi
  3.  (M,s)\vDash C_G\phi\iff k=1,2,\dotsに対して(M,s)\vDash E_G^k\phi
  4.  (M,s)\vDash D_G\phi\iff(s,t)\in\bigcap_{i\in G}\mathcal{K}_iをみたす任意の tに対して (M,t)\vDash\phi

ただし,  E_G^1=E_G,   E_G^{k+1}=E_G^kとし, また,  Gが明らかなときは省略することもあります.

各解釈として,  E_G\phiは「 Gの全ての人が \phiを知っている. 」,  C_G\phiは「 \phi Gのagentのcommon knowledgeである. 」,  D_G\phiは「 \phi Gのagentのdistriguted knowledgeである. 」と定めます.

 

 これらの定義が一番最初に説明した解釈と一致していることがわかるかと思います. 

 

はじめまして.

はじめまして. poyaと言います. 

以前までは他のブログを使っていましたが, はてなブログは数式がきれいに書けるそうなので, 移行しました. 

重要そうな記事は少しづつこっちにあげなおそうと思っています. 

 

(自己紹介)

関東の大学の数学科に所属している大学4年のものです. 

数理論理学, 特に様相論理に興味があります. 

 

よろしくお願いします.